”虎の穴OLM”釣行記(1998.7) 
                
はしがき

 塩ケ浜(しおがはま、しゅうがはま、しょうがはま)は三重県南島町と南勢町の境界に位置する全長800m位の浜である。以前は海岸まで車が通れた道があったが、現在は訪
れる人も稀で、風雨に曝され、ひと一人がやっと通れる幅しか残っていない場所が大半である。その道も、ブッシュや倒木が行く手を阻み、ところどころ陥没もあり、難所の連続
である。以前、私の小著において”秘境”塩ケ浜として紹介させていただいているので、詳細はそちらを参考にされたい。 さて、今般”虎の穴”釣行記を作成するのにあたり、少なくとも、今回の塩ケ浜をあらわす言葉として、”秘境”という形容詞はいささか、役不足であると実感した。あえて”魔境”と形容させていただくことをお断りして、筆を執りたい。

 投げ釣りの団体としては、全日本サーフ、日本サーフ、静投連などが有名であるが、それらオモテの組織と異なり、”虎の穴”は、ウラの組織である。投げ釣りを志す若人たちの”心・技・体”を徹底的に鍛え上げることを目的としているらしいが、その発生過程は秘密のベールに包まれており、謎の多い組織である。 ミスターHなる、これまた謎の人物が、各講義ごとにテーマを設け、その課題に合致するフィールドを修練場としているらしい。”心・技・体”といっても、純体育会系の課題から、軟派系、お笑い系の課題まで、適当に選んでいるという噂もある。そこがウラのウラたる所以でもある。 第一講の課題は”投げ釣りは格闘技じゃ〜”である。体力の限界に挑戦し、美しい汗を流したあとに、投げまくる!。釣果は二の次、とにかく消耗が目的のバトルゲームである。そのステ−ジにうってつけのフィールドとして、三重県は南島町の”魔境”塩ケ浜が与えられた。 今回の参加者は、私の他に、渚の魔術師”しおまねきさん”、”まるそうさん”、”かものはしさん”、投親会の”まるよさん”、”まるまえさん”、はっとりグループの”ドクターK”の面々である。

 さて、一宮を7月18日の14:30過ぎに出発した。車は順調にすすみ、16:00にはしおまねきさんの待つ伊勢自動車道の安濃SAに到着した。氏とは、あの、七里御浜以来の再会である。明るい内に現地につかねばならないので、頼まれたエサを渡すと、話もそこそこにして、出発を急いだ。ところが、松坂トンネル付近で、事故のせい?による渋滞に出くわし、塩ケ浜入り口の、駐車スペ−スに到着した時には、18:00を回っていた。 車を走らせてきた途中の川沿いの農道は、ところどころえぐれて、応急処置で鉄板が置いてある。以前にも増して悪路となっており、山道入り口に着くのさえ、明るい内でないと危険である。 山道も、状態が悪くなっていることが、危惧されたので、とにかく”明るい内に”と、皆にハッパをかけた。


wpe3.jpg (16878 バイト)塩ケ浜への出発点wpe4.jpg (23504 バイト)一服峠

 先達は私が務めた。昨年は歩き始めて間もないところに、大きな倒木が行く手をふさいでおり、どうなっているのか気になったが、幸い取り払われており難なく通過できた。往路は登り3分、下り7分の道のりである。思ったより荒れが少なく安心したが、後続が来ない・・・・。荷物が多いのと、足下が滑り易いため、時間がかかっているらしい。道を覆い尽くすシダや雑草も彼らの歩みを遅延させているのであろうか?後続組との離合を繰り返すこと数回、一服峠(勝手に命名)に到着。道はこれから下りとなる。後続組の最後尾はSまねきさん、悪路にだいぶ手こずっている様子である。ここからは、ずっと下りであることを伝えて励ます。しばらく進むと、遥か眼下に塩ケ浜が開けている。



wpe1.jpg (13032 バイト)眼下の塩ケ浜の遠望

ここからでも白波が見えるくらいなのでやや波が高そうである。一同は、目測の遠さに、”あそこまで行くの〜?!”と、うんざりした様子である。もう一度下りの連続であることを告げ、ファイトを促したが、疲れは隠せない模様である。しかし明るい内に山道を抜けないと危険なので、歩く速度は緩められない。今でも道が林の中に入るとかなり薄暗い・・・急がなくては!・・・

 かものはしさんや、投親会のみなさん、ドクタ−Kは頑張って着いてきている。大御所とそのカバ−に入っているまるそうさんはだいぶ遅れているようである。 ”もうすこし進むと、右手に池が見えるので、そこまできたらスグですよ! がんばりましょう!”と声をかけながら進むが、その直後に現れた光景に言葉を失った・・・・。

”道・が!・・・無い! (@_@)”


wpe5.jpg (17306 バイト)ジャングルクルーズではありません。
 

 海に続いているはずの道が水の中に消えている・・・・。本来なら、道の右手、それも10m以上離れたところに池があるはずである。その池が眼前に広がって行く手をはばんでいる。それもかなりの深さである。最近、かなりの量の降雨があったのであろう。塩ケ浜は今回で4度目、雨の多いこの時期から8月にかけて来ているが、こんな経験は初めてである。 悪路の山中を小一時間かけて、ここまでたどり着いたのに、塩ケ浜は我々を拒むのか?!それとも、安易な”虎の穴”のネーミングに神がお怒りたもうたのか?!残り50m程度で海岸へ出られるというのに・・・・。

 水没した道の左手は急峻な斜面である、立木を頼りに進もうとしたが、それもかなわない。まさに、試練の”虎の穴”となってしまった。投親会の面々、かものはしさん、ドクターKも呆然としている・・・。 ここまで来たら後には引けない・・・行き場を失っている彼らを後目に、一人だけ突撃を決意する。開き直って、あるべき道をじゃぶじゃぶと進む。5mと進まぬ内に、水は股間に達した。記憶を頼りに慎重に前に進む・・・つま先の感覚を鋭敏にして、見えない障害物や、陥没の有無を確かめながら・・・。 笹濁りの水中を、メダカの群が逃げて行く・・・視程は30センチくらいであろうか?ところどころに木の枝が没しているが、全貌は把握できない。 幸い、それ以上水深は増さなかった。障害物もそれほどでもない。まもなく、低木が疎らに生えている”陸地”へ上がることができた。ク−ラ−やサオを置いてから、後ろを振り向くが、誰もついて来ない。大声で”大丈夫! 渡れるぞ!!”と叫ぶが、返答も無い。仕方無く荷物を置いて、来たル−トを戻る。(荷物を置いたのは、不退転の決意をあらわすためである。最悪でも、”はっとりグル−プ”だけは、突入しなければならない。)

 水没地点では、かものはしさん、ドクタ−K、まるよさん、まるまえさんが依然として立ちすくんでいる。”股間まで濡れるが、大丈夫!”と進撃を促す。途中までエスコ−トし、大御所、まるそうさんを迎えに引き返す。 まるそうさんは果敢に突入していったが、しおまねきさんは、かなり躊躇しているようである。今回の釣行の勧誘にあたり、氏は”牛に引かれて・・・虎の穴”と冗談を言っておられたが、それが現実のものとなってしまった。”荷物持ちますから、ぐぁんばりましょう!”と半ば強引にク−ラ−をもらい突撃を催促した。虎の穴の軍曹格としては、氏に帰ってもらっては、今回の釣行の意義が半減するからである。なにしろ、氏は虎の穴”塾長”である。 無理矢理、塾長殿を引っ張り込んだのは良いが、もし・・万一・・釣れなかったら・・怖いオシオキが待っている・・・ (-_-)/~~~~ピシー!ピシー!・・・・そんな不安が脳裏をよぎるが、とにかく今は、全員で”虎の穴”釣行を敢行することしか考えなかった。 時間のロスが大きく、辺りはかなり暗くなっている。ヘッドライトをつけて、遅れ気味の塾長殿をサポ−トする。しばらくして、なんとか氏も上陸に成功!(/\)チャチャチャチャ \(^o^)/ハッ!!

 ショックの余韻が醒めやらない面々を、叱咤激励し、海へと急がせる。もうかなり暗い・・・一刻でもはやくサオを出さなければ、ジアイを逃してしまう・・・。実は、昨年の8月の薄暮時に20センチクラスのキスの入れ喰いというオイシイ経験をしているのである。 ハマホウボウのコロニ−を抜け、前面に海が開ける。いつ来ても、本当に美しい海岸である。海はやや荒れ気味のようで、波長の長い波が押し寄せている。沖に低気圧でもあるようだ。荷物は、波打ち際から、ゆとりをもって離すように、指示し、早速準備に取りかかる。時刻は19:30になろうとしている。急がねば・・・。


wpe2.jpg (7265 バイト)これが塩ケ浜だ

正面のポイントが空いている! Y(^^)ピース!

 根掛かり必死の塩ケ浜にあって、山からの出口の正面:右20m、左10mくらいが、砂底が沖まで開けて釣りやすいポイントである。キスに限っては期待大である。まずは、カレイ9号段差2本針仕掛けをセットする。ハリスはフロロカ−ボン3号、モトスはナイロン6号である。 この時間帯はキス主体と考えてよかったが、なにしろ、大物場である。やや太めのアイテムでないと心許ない。ロッドはCXクラスのD社の製品、ラインはナイロン3号である。シモリに配慮し、シンカ−はジェットの25号を用いた。イシゴカイをつけて、80Mラインに投入、30Mラインまでさびいた。アタリはなかったが、18センチくらいのキスをゲット。 ”いるで〜!”と皆に告げようとしたが、な・なんと!全員が着替え、いや、脱衣の最中。Mそう氏など、パンツ一枚のあられもない姿。キスが釣れることを知っても、サオを出す様子はない。その中で、しおまねきさんだけが、重い腰(ただし、服装は軽快・・・肌着姿)をあげて準備に取りかかっている。”機を見るに敏”さすが塾長殿である。

 一匹目を釣り上げ、早々とNo(ノー)ボ*ズとなったので、一安心。同じラインに投入して置き竿とし、2本目、3本目の竿の準備にとりかかる。すでに、陽はとっぷりと暮れ、ライト無しでは何もできない状態である。もうすこし、早く着いていれば、サビキまくって、キスの連ちゃんを狙うのが当然であるが、なにせ、あのアクシデントは予想外のこと、数釣りのタイミングを逸した今は、大物狙いに徹した方が得策である。 2本目は、丸カイズ16号の1本針である。ハリスはフロロカ−ボン5号。チモトは2本撚りとして補強してある。ロッドはS社のツインパワ−425DX、ラインはナイロンの5号エサは蝦夷地伝来のサンマである。いままで期待を裏切られてきたが、今度こそ!と願を掛け投入する。リ−ルは私にはめずらしく、パワ−エアロGT6000を使用した。NIFTYなどの掲示板をROMっていて、”ドラグがジ−・・”に憧れての起用である。もちろん、超大物とそれを、導いてくれる(はずの)サンマさんに敬意を払ったのである。シンカ−も軽めとし、ジェットの20号を用いた。 3本目は、ビックサ−フ9号の段差2本針である。ハリスはフロロカ−ボンの3号、モトスはナイロン6号。ロッドはS社のツインパワ−405CX、ラインはナイロン6号である。シンカ−はおなじくジェットの20号。エサは、片方にミノムシ、もう一方にアオムシをつけて投入する。

 この頃には、私の左手に、塾長殿が竿を2本展開している。エサはチロリを使用している様である。少し遅れて右にまるまえさん、さらにその奥にまるよさんがサオを出し始めた。まるよさんの辺りは、例の池の伏流水が湧き出る場所である。まるよさんのポイントは、伏流水があって一見良さそうであるが、知る限りでは、実績が乏しい。あとは、甲乙つけがたい場所である。ただし、正面に近いほどキスが、左右にずれるほどマダイなどが出やすい傾向にある。かものはしさんは、かなり左手、それもかなり海から離れたところで準備している。氏の居るあたりは、波がかなり奥手まで侵入してくるようである。いつもなら、シモリ場で、水深もあるはずなのに、砂が海岸を埋めているのかもしれない。ドクタ−Kは、砂利浜にサオをじかに置いてセットアップしたことを、私から叱責され、最初からやり直しをしている。ここは”虎の穴”である!投げ釣りマンとしての作法を一からたたき込まねばならない。

 まるそうさんは?・・・と辺りを見回すが、荷物の集合場所でたき火の最中・・・(-。-)y-゚゚゚、当分動く気配はない。

 さて、1匹目は難なくあがったものの、続きがなかなか来ない。サンマも、ミノも、その他も餌盗りにキレイにされている。時折魚信があってもアナゴ類である。塾長殿も、”チロリは、ハナアナゴしかこん!”とぼやいている・・・。遅れてサオを出したドクタ−Kも同様である。

 膠着状態の中、まるまえさんに、25センチの良型キス!氏は先週若狭の食見海岸で、大型キスの爆釣を演じたが、その運気を保っているようである。続いて、私と塾長殿にダブルヒット!双方とも、25センチクラスの良型である。いつの間にかまるそうさんがカメラを持って傍らにいる。そのカメラで塾長殿とツ−ショットの光栄にあずかった。v(^^)v ジアイじゃ〜!と叫ぶ。大型キスに触発されて、まるそうさんも、かものはしさんの隣でサオを出す。しかし、後が続かない・・・。周りも、アナゴやゴンズイの猛攻に苦戦している。しかし、キスがまったく来なくなった私と異なり、まるまえさん、塾長殿にはポツリ、ポツリとキスが混じっているようである。そのキスも、いずれ劣らぬ良型揃いである。さらに塾長殿は、マダイやシマイサキを退屈しない程度にあげている。表情にも、ゆとりが感じられたので・・・ (-_-)/~~~~ピシー!ピシー!・・・・から逃れられたと、大いに安堵する。 

 時刻は22:00をまわり移動を決意する。左手奥のシモリ場である。枯れ谷があって、その前方は、比較的釣りやすい。もちろん、一発大物狙いである。ドクタ−Kをしたがえ、トコトコと移動を開始する。途中、かものはしさんの場所に立ち寄る。状況を聞くと、あまり芳しくないらしい。激励して、シモリ場へ急ぐ。 近くに行ってみると、枯れ谷に、水が流れているではないか!?例の池といい、この川といい、最近の降雨が尋常でないことを、物語っている。夜目ではあるが、海岸の様子も豹変している。水深があまりなさそうであるし、砂がやたら多い。本来なら、大きめの砂利浜で、水深もかなりある場所である。 期待薄ではあったが、とにかくサオを2本投入した。一発狙いの為、サンマとアオミノで1本ずつである。しかし、サンマはすぐになくなり、アオミノには、フグとゴンズイのラッシュである。彼らは汽水域を好む。流入する水の為、海水がだいぶ甘くなっているらしい。 水深は予想した通りである。シモリもほとんど感じられない。海底全体が”のっぺり”した感じである。大物の気配も全く感じられない。”迷惑魚”以外は全く釣れず、やる気がだんだん衰えていく・・横で頑張っていた、ドクターKも、とうとう寝込んでしまった。(-_-)zzz

23:30頃、まるそうさんから、携帯が入る・・・ M:”どうでっか?” H:”さぱっりあきまへんわ!、そちらは、どうでっか?” M:”Bランクでましたでぇ・・・・” H:”Bランク?!・・そちらへ移動しますわ・・・・” のやりとり。 さっそく寝入っているドクターKを起こし、”移動じゃ〜!”ところが、仕舞うつもりでサオをあげると、なんと20センチ程のキスがついているではないか!?前言を撤回し、”しばらく粘るぞ!”となってしまった。

 調子の悪い時は、得てしてこんなもの。待てど暮らせど、結果はでない。さらに左手に移動するも、連続根掛かりでギブアップ。結局2時間位無駄にしただけで、こんどこそ移動を決意。歩いても、5分位の距離だったので、荷物片手にピストン輸送。トコトコ歩きながら、”かものはし”さんの様子を伺うと、25センチ級を数匹ゲットしたそうである。(/\)チャチャチャチャ \(^o^)/ハッ!! 。まるそうさんのところも立ち寄るがはその後はあまり芳しくないようである。

 移動後の釣り座は、塾長殿の左隣。ようするに最初の場所。塾長殿は、ポツポツ上げているようである。ポイントは2〜3色、さびいてゴツゴツ感じられるあたりという。相変わらず、アナゴは多いとのこと。まるまえさん、まるよさんのところは、ゴンズイとシモリで苦しんでいるようである。伏流水の分だけ、ゴンズイが寄っているのだろうか? さて、塾長殿のアドバイスを参考に、余っているチロリのエサで投げ込む。先ほどの場所にトコトコとサオを取りに行っては、戻って投げる。それを繰り返して、3本のサオを展開する。アナゴは多いものの、ポツポツと良型キスが釣れてくる。ドクターKもサオ出したが、おまつりの連続で、”迷惑かけるから・・・”といって、かものはしさんの左手に移動してしまった・・・。

 時計は4時をまわり、周りもだいぶ明るくなってきた。根掛かりもほとんどないので、道糸をPEにチェンジ。その頃から、キスの掛かる周期が短くなってきた。入れ食いとまでは行かないが、型も良い!1時間ほどで、ツ抜け。両サイドも、釣れはするものの、私ほどではない。後から割り込んでいるので少々、後ろめたい。しかし、その好釣も、潮が低くなるにつれ、精彩を欠いてくる・・・。底潮の8時まで、空虚な時間が経過する。

 これではいかん!路線を遠投に切り替え、V字投法で5色超のエリアを攻めはじめた。これが、効いたのか!?一投目で、本当に久しぶりのキス。ピンながら大変うれしい。二投目にも、アタリ。キスじゃないな?と思って巻き上げると、初カワハギ。気を良くして、投げ続けるが、疲れも頂点に達しており、スイングの速度がなまったせいであろうか?反発が遅れて、左方向へファウルしはじめた。塾長殿にオマツリこいて迷惑をかけてしまったので、セイフテイ投法に変更する。

 ふと、左手を見ると、かものはしさんが、短竿を取り出し、近距離を丁寧に攻めている。さすが、ルアーもこなすオールラウンドプレイヤーだなぁ・・と感心していると、ちょくちょくキスが掛かっている! まるまえさんも、その近くに場所替えをしており、遠目にも良型とわかるキスをゲットしている。荷物を取りにきた氏は”すごい!入れ食いですよ!”と教えてくれた。 耳をダンボにしてそのことを聞いていた塾長殿は、電光石火の勢いで移動。私も”風林火山(注)じゃ〜!”といいながら、移動を決め込む。 魚影がきわめて濃さそうだったので、私にとっては、超多点の5点セットを使用する。ポイントも近いとのことなので、3色ラインからサビク。力糸の手前で、アタリがある。相当近くに寄っているようである。サビク速度が遅すぎたせいか、掛かった2尾の内、1尾が3本のハリを飲み込んでいた。手返しの効率が悪いので、ハリ数は少ないものの慣れた段差で攻めようと、仕掛けをチェンジ。 この時点でも、ボ*ズであったドクタ−Kも呼び寄せ、仕掛けを与えて、丹念に近場を攻めるよう指示。

 左手でまるまえさんが、大型を上げている。左手に大型がいると判断し、夜中に苦戦した、枯れ谷のポイントへ入る。型はピンながら、入れ食いの状態が続く。フグが半分ほど混じるものの、瞬く間に20を越え、30に迫る勢いである。まるまえさんは、沢山釣って満足したのか、サオをたたむ準備をしている。かのもはしさん、まるよさん、まるそうさんも同様である。

 残るは、我々と、塾長殿の3名である。その塾長殿も荷物のある方へ、徐々に移動しながらキャステイングを繰り返しており、納竿間近の雰囲気である。まるそうさん達は荷物をまとめ終え、今にも出発しそうであったので、携帯を使い”どうにもとまらない!ので、少し延長して釣っていても良いか?”と聞いた。”納得いくまで、釣って!”との返事を得たので、もう少し粘ることとした。 29匹めに、波打ち際で、26センチがヒット!、しかしその後しばらく頑張るが、どうしても30匹の大台に乗せることができない。時間も大幅に、オーバーしているので、
後ろ髪を引かれる思いで納竿となった。


simanekisiogahma.jpg (32161 バイト)これは塾長殿の釣果

今回の釣果(私の)
キス29尾(26x2,25x2,21〜24が8,ピン17)
カワハギ4尾、シマイサキ1尾、キュウセン4尾


あとがき

塩ケ浜は、本来は他魚が主体の釣り場である。キスもそこそこ出るが、数・型とも他の有名釣り場にはかなわない。ところが今回の釣行ではその定説が覆され、キスの好釣となった。25センチオーバーは私一人でも4尾、全体では10台の後半の数が出ていたのではないか? その原因としては、浜全体が砂に覆われていたこと、背後の池にも象徴されるように、海水がほどよく甘くなっていたことなどが考えられよう。 いずれにしても今回の虎の穴釣行では”自然は生き物”であることを思い知らされた。紆余曲折はあったものの、塩ケ浜のもう一つの顔を見ることができた。先入観にとらわれず、臨機応変に”柔らかい釣り”をすることが、安定した釣果をもたらす最良の処方箋である。塩ケ浜はそれを私に教えてくれた。 ありがとう!”塩ケ浜”。 そしてありがとう”虎の穴挑戦者の諸君”。 またの機会が楽しみである。

     完

注)風林火山:虎の穴の極意:はっとりの釣りの原点です。

  疾きこと風の如し  :これはみなさんよくご存じで…。(^_^;
  徐かなること林の如し:釣るときは静かなのです。(異論ある?)
             釣れないときの帰りのバスでもこのポーズ
             は便利。
  侵略すること火の如し:移動しながら、釣れている人の横に割り込
             むこと、もち、同じクラブ員の場合だけで
             すが、このパターンで、隣の人よりよく釣
             ってしまうことが多い。火じゃなくで非か
             な?
  動かざること山の如し:移動して、良いポイントがあればとことん
             粘ります。
                 (本来の私の姿)


謝辞:今回の画像につきましてはしおまねきさん、ほにゃにゃさんの画像を利用させていただきました。厚く御礼申し上げます。
   

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