←BGM:デフォルトはオフです。

recounted2007.01.26

マダイにコロダイ・・大物乱舞の七里御浜

私がインターネットに取り組んでから数年が経つ。仕事上の必要性から始めたわけであるが、その利便性は大変なものである。職場内の仕事が多い私の場合、以前なら足を運んで仕入れなくてはいけない情報も、パソコン上で居ながらにして得ることができる。インターネットの恩恵に浴している毎日と言っても過言ではない。

趣味の投げ釣りの場合もしかり、ウェブサイトから大量の知識をいただいている。掲示板を通じ知り合った仲間も多く、そのような皆さんには釣場ではじめてお会いする時でさえ旧知の間柄のように話がはずんでしまうのが不思議である。

7月中旬にインターネット上での釣友達と三重県熊野市の七里御浜へ釣行をする機会に恵まれたのでご報告したい。参加メンバーは私を含め八名。愛知県全土からご参加いただいた。尾張・西三河の参加者は一宮に集合し東三河の参加者は伊良湖に集合、海路で鳥羽まで渡り、伊勢道の勢和多気IC付近で待ち合わせることになった。

目指すポイントは七里御浜海岸の尾呂志川尻の下市木である。この時期に大型のコロダイが狙える場所として有名なポイントである。志原川から下市木の熊野自動車学校までの海岸線は、両河川の流入、点在するシモリ帯、規模の大きなワンドと岬状の地形が入り乱れ七里御浜の中でも随一の好漁場となっている。また鱚・イシモチはもちろんのことマダイ・コロダイ・タマミなどの磯魚など様々な魚種が狙えるのが特徴である。



wpe60.jpg (87173 バイト)提供:本多氏

 

途中食糧などを調達したので現地着は午後七時頃となってしまった。しかし日長の時節であるので、まだまだ十分に明るい。下市木の橋の傍に駐車して、藪の中を海岸まで歩く。やや右手に岬状の地形があり、左手は比較的単調な海岸線になっている。この付近は長大な七里御浜の中で最も水深がある場所である。特に右手の岬の周辺は手前からどん深となっており、そのかけあがりに沿ってコロダイなどの磯魚が回遊してくる。

私は岩本さん、渥美サーフの筒井さん、木戸さん、渡辺さん、竜郎さんと供に右手の岬方向を目指す。本多さん、阿知波さん、伊藤さんは左手の河口方向に足を進めた。

第1投は明るいこともあってハリスフロロ3号流線12号の段差仕掛けで良型の鱚を期待した。第2投も同様の陣容で遠近に投げ分ける。しばらくして、最初の竿が重くなったので巻き上げると17センチ程度のトラギスでがっかり。

魚をはずそうとしていると、左隣の岩本さんの竿が大きく弧を描いている。パワーエアロの逆回転音も聞こえてくる。思わず側に駆け寄り声援を送る。しかし強烈な締め込みが反復し、なかなか姿が見えない。やりとりすること十数分、紺碧の海の中から一瞬キラリと白いものが光を放ったかと思うと、だんだんピンク色の輝きが大きさを増してくる。

マダイだ!それもデカイ!思わず声を出してしまう。水深があるせいか一旦浮くと波口までは意外とスムーズに上がって来た。引き波に持っていかれると大変なので、急いで駆け寄りマダイを抱え込んで岩本さんの元へ放り上げる。63センチの立派なマダイであった。大物釣り師で名高い岩本さんも、このサイズは未体験であったらしい。仲間が次々に駆け寄り祝福を送るが、本人はしばらく放心状態であった。我々にとっても衝撃的な一発で、急いで釣座に戻り仕掛けを大物用に変更したことは言うまでもない。


shimoi0.jpg (11729 バイト)




辺りも次第に暗くなり、まずめの絶好機となった。ヌシが釣られて魚が用心深くなった訳でもあるまいが、しばらく膠着状態が続く。どっぷりと暗くなった午後8時、一番右手で投げていた竜郎さんにコロダイがヒット。続いて右隣の筒井さんにもヒット。40センチクラスの中型ではあるが、渥美ではお目にかかれない渚のファイターとのやりとりに2人ともご満悦であった。

順番では次は私である。餌も新しく変え、手ぐすね引いて待っていたが、悲しいかな、2本の竿とも微動だにしない。1時間程経過したところで、左隣の岩本さんのところへ偵察に行く。さすがにネクストワンは来ていないようであった。しばし談笑し、自分のところへ戻ろうとしたところ右側の竿が大きくお辞儀をする。急いで駆け寄り竿をあおるが、なんの抵抗もない。しまったはずれたか!と悔やんだがとにかくリールを巻いてみる。若干の抵抗が感じられ何かがついている。小型のシマイサギのように見えたが、よくみるとコロダイの小型であった。20センチ程度なので本来ならリリースサイズであるが、七里へ来た証として、クーラーに納めさせていただいた。

右手の二人はマダイやフエフキを追加している。岩本さんの左手の木戸さんや渡辺さんもマダイを手にしていようだ。河口方向へ入った本多、伊藤、阿知波さんもマダイ、コロダイ、ヘダイなどを手中に収めているという。爆釣といって良い釣果にエスコート役としては喜ばなくてはならないが、1人だけ蚊帳の外なので複雑な心境である。

午後10時を回った頃、釣座を竜郎さんの右手に移動する。しかしこのころから餌盗りが激しくなる。ムシエサも身餌もあっという間に無くなってしまう。小型の甲殻類の仕業らしい。小型のサメやアナゴは時折ヒットするが、釣り辛いことこの上無い。水深も無いようだったので再び元の場所へ戻ることにした。

周りの皆も餌盗りと外道に難渋しているようで、時間だけが経過していく。午前2時を回った頃、夜明けの一発に備え仮眠をとることとした。潮風は心地よいが蚊の大群が安眠を邪魔する。チクッと痛みが走ったので、足を見るとはさみ虫が噛みついている。やはりキャンピングシートと虫除けスプレーは必須であるようだ。とても安眠できる状況ではないので、再び投入開始。しばらく餌盗りに悩まされたが、不眠で頑張ってられた筒井さんが大物を掛けたようだ。しばらくやりとりをしていたが無念のハリス切れ!同じ頃左手の木戸さんのロッドが海中に引き込まれそうになる。ハリス切れが幸い?してなんとかロッドを回収できたが、いかにも悔しそうである。二人とも仕掛が渥美仕様の細仕掛けで、大型の一発に対応できなかったらしい。

二人の奮戦を横目に私の竿には何の反応もない。今回は下里での大鱚釣りを想定していたので岩虫を持参していなかったのが失敗であった。でも悔やんでも仕方がない。青虫でも十分にコロダイは釣れるはずである!!失せつつある気力に鞭打ち頑張るのみである!!

夏の朝は早い。すこしずつではあるが回りの人影も濃さを増してくる。時間は4時。もう夜明けの好ジアイである。夢よもう一度!!否応でも期待が膨らむ。が!・・・しかし・・・掛かってくるのは小型の鱚ばかり・・・夜明け・そして太陽が完全に顔を出すまで粘るが逆転の夢は叶わなかった。

私は最後までツキに見放され鱚九匹、ミニコロダイ1匹、他魚数匹の貧果に終わってしまったが、全員の釣果は特筆できよう。列挙するとマダイは63センチを頭に30センチ前後を7匹。コロダイは46〜40センチを5匹、39センチのフエフキが一尾。ヘダイの38センチが一尾。18センチ前後の鱚が30匹程度。サメ、ダイミョウサギ、ネンブツダイ多数であった。大潮回りが幸いしたのかもしれない。近年稀にみる爆釣釣り会であったことには違いない。


shimoi1.jpg (27254 バイト)提供本多氏



今回釣行した下市木海岸はコロダイの釣れる所として有名である。日むら場所むらが激しくボウズの憂き目にあうことも多い。紀伊自動車学校前一帯の実績が高いが、広い海岸線の中で水深や地形の変化がある場所が狙い目である。6月〜7月がもっとも良いが秋でも十分狙えるので、みなさんもぜひ釣行されてビックワンを手にしていただきたい。なお鱚は全般的に小型である。大型も沖のシモリ越えの遠投ででることもあるらしいが、ごろた石の海岸なので遠投はかなりテクニックを要する。明るくなると鱚以外の魚は釣れないので、暗い内が勝負である。

なお、この七里御浜海岸は波荒いことで有名である。これからの時期は沖に台風があることが多いので、天候には十分注意して安全で楽しい釣りを楽しんでください。釣行の目安は波高2mである。それを超える場合は自重した方が無難である。またそれ以下の予報でもイレギュラーの大波が寄せてくることもあるので常に用心を心がけてください。なお引き潮では道糸が石に食われ高切れが頻発することもある。常にロッドは高く構え、道糸も緩まないように注意すべきである。コロダイ狙いの場合、ラインは8号前後をお奨めする。また仕掛もフロロカーボンの最低5号、できれば8号程度をお奨めします。

 

totoButton-top.gif (954 バイト)